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甲状腺疾患

甲状腺外来|甲状腺のしこり・橋本病・バセドウ病の診察

首の前の腫れやしこりが気になる、健康診断で甲状腺の数値を指摘された、動悸や急な体重の変化が続く、疲れやすさやむくみがなかなか改善しない――。 日々の忙しさやストレス、あるいは加齢のせいだと見過ごされがちなこうした心身の変化の背景に、実は「甲状腺の病気」が隠れていることがあります。

甲状腺の病気は、多彩な症状が現れる一方で、それらの症状だけで「甲状腺が原因だ」とご自身ではっきりと判断しにくいのが特徴です。そのため、専門的な視点から問診を行い、必要に応じて血液検査や超音波検査(エコー検査)を組み合わせて的確に状態を確認していくことが非常に大切です。

糖尿病・甲状腺・内科 幸田中央クリニックでは、内分泌専門医が専門的な知見に基づき診察を行い、院内での甲状腺超音波検査にも対応しています。当院には幸田町を中心に、岡崎市、蒲郡市、西尾市などからもご相談いただいています。甲状腺疾患の受診先を探している方、あるいはご自身の症状が甲状腺からきているのではないかと不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。

1. 当院の甲状腺外来で対応していること

当院では、甲状腺に関するさまざまなお悩みや検査に対応しています。

  • 首の腫れ、しこり、動悸、体重変化、だるさなどのご相談

  • 健康診断で甲状腺異常を指摘された方の再評価

  • 血液検査による甲状腺機能の評価

  • 院内での甲状腺超音波(エコー)検査

  • 橋本病、バセドウ病、甲状腺のしこりの診療

  • 妊娠希望中、妊娠中の甲状腺機能に関するご相談

  • 必要に応じた穿刺吸引細胞診対応医療機関、手術可能な医療機関へのご紹介

2. 甲状腺の病気でみられる主な症状

甲状腺の病気は症状が多彩です。ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)でみられやすい症状

動悸、体重減少、暑がりや発汗の増加、手のふるえ、疲れやすさ、息切れ、いらいら、不眠、下痢や軟便、月経異常などがみられます。 バセドウ病では、首の前の腫れ(甲状腺腫)や、眼の症状を伴うこともあります。

  

甲状腺機能低下症(橋本病など)でみられやすい症状

疲れやすさや全身のだるさ、体重増加、寒がり、便秘、皮膚の乾燥、脱毛や髪のぱさつき、むくみ、物忘れや集中力の低下、うつ症状、声のかすれ、月経異常などがみられます。

甲状腺腫瘤(しこり)で気づくこと

首の前のふくらみやしこりに気づいたり、のどの違和感やつかえ感をきっかけに受診されることがあります。健康診断の触診や超音波検査、頸動脈超音波検査などで偶然指摘されることもあります。

【更年期障害などと区別がつきにくいことがあります】

甲状腺疾患は、動悸、多汗、いらいら、無気力、気分の落ち込み、疲れやすさなど、更年期障害などと似た症状を示すことがあります。特に女性では発症年齢が重なりやすく、高齢の方では甲状腺機能低下症が認知機能の低下と見分けにくい場合もあります。ほかの治療を受けても症状が改善しないときは、甲状腺の検査を検討することが大切です。

3. 当院でできる検査と診断の流れ

当院では、内分泌専門医が丁寧な診察を行い、必要に応じて血液検査と超音波検査(エコー検査)を組み合わせて評価します。

  1. 問診 症状がいつから、どのように変化しているか。体重の増減、動悸の有無、ご家族に甲状腺の病気の方がいるか、服薬状況、妊娠希望の有無などを詳しく伺います。

  2. 診察(触診など) 首の腫れやしこりの状態を確認し、脈拍、手のふるえ、皮膚の乾燥具合など、全身のサインをチェックします。

  3. 血液検査 現在のホルモン状態を正確に把握します。甲状腺ホルモン(FT3、FT4)と、それを調整する脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定します。さらに原因を特定するため、自己抗体(TRAb、TgAb、TPOAbなど)も必要に応じて調べます。

  4. 超音波検査(エコー検査) 甲状腺の大きさ、全体的な炎症のサイン、しこりの有無、大きさ、内部の性状を視覚的に確認します。エコー検査はゼリーを塗ってプローブ(端子)を当てるだけで痛みは全くなく、放射線被ばくもないため、妊娠中の方でも安心して受けていただける有用な検査です。

  5. 必要時の専門機関との連携 エコー検査の結果、しこりの良悪性を判断するために細胞を採取する検査(穿刺吸引細胞診)が必要な場合や、より高度な専門的治療(手術や放射性ヨウ素内用療法)が必要と判断した場合は、速やかに地域の総合病院や専門機関と連携し、ご紹介いたします。

※所要時間の目安 初診時はしっかりとお話を伺い、必要な検査を無理なく進めます。血液検査の詳細な結果が出るまでに数日かかる項目もあるため、結果説明や最終的な確定診断が後日になる場合があります。

4. 受診の目安と放置するリスク

「少し疲れれているだけだから」と放置してしまうと、思わぬ重い症状につながることがあります。

  • 甲状腺中毒症・機能亢進症を放置した場合: 心臓への負担が続くため、不整脈(心房細動など)や心不全を引き起こすリスクが高まります。また、骨の代謝が亢進しすぎて骨粗鬆症が進行しやすくなります。不安、不眠、いらいらになり、日常生活や仕事に大きな支障をきたすこともあります。

  • 甲状腺機能低下症を放置した場合: 物忘れ、集中力の低下、うつ症状などが長引くほか、心不全を引き起こすリスクが高まります。不妊や流産のリスク増加にもつながります。また、全身の代謝が落ち、血中のコレステロール値が上昇しやすくなるため、動脈硬化の進行にもつながります。極端にホルモンが不足すると、意識障害を起こす重篤な状態(粘液水腫性昏睡)に陥る危険性もあります。

  • 甲状腺腫瘤を放置した場合: 良性であっても大きくなりすぎて気管や食道を圧迫し、息苦しさや飲み込みにくさが出ることがあります。悪性の場合は、リンパ節などへ転移するリスクがあります。

【妊娠・出産と甲状腺の深い関係】

女性にとって、甲状腺ホルモンは妊娠・出産に非常に深く関わっています。 甲状腺機能の異常(亢進症も低下症も)は、月経不順や無排卵の原因となり、不妊症のリスクを高めることがわかっています。また、妊娠中に甲状腺ホルモンが適切にコントロールされていないと、流産や早産、妊娠高血圧症候群のリスクが上がり、お腹の赤ちゃんの正常な発育にも影響を及ぼす可能性があります。 妊娠を希望されている方や妊娠中の方で、甲状腺機能に不安がある場合、あるいは過去に指摘されたことがある場合は、ご自身と赤ちゃんのために、専門医による「プレコンセプションケア(妊娠前からの健康管理)」としての甲状腺機能評価が極めて重要です。

5. 甲状腺とは?甲状腺ホルモンの大切な働き

甲状腺とは、首の前側(のどぼとけのすぐ下あたり)にある、蝶の形をした小さな臓器です。正常な大きさであれば外から触ってもほとんどわかりません。

甲状腺の最も重要な役割は、「甲状腺ホルモン」をつくり、血液中に分泌することです。甲状腺ホルモンは、全身のほぼすべての細胞に働きかけ、新陳代謝を活発にする働きがあり、いわば「体のアクセル」のような役割を果たしています。脈拍や体温の調節、脳の活性化、胃腸の働きの維持など、私たちが元気に生きていくために欠かせない働きを担っています。

この甲状腺ホルモンが、少なすぎても、多すぎても、体にさまざまな不調が現れるようになります。

6. 各疾患の説明

甲状腺の病気は、大きく分けると「ホルモンの異常(機能の異常)」と「形・しこりの異常」に分けられます。

① 甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症

「甲状腺中毒症」とは、血液中で甲状腺ホルモンが多すぎ、その作用が強くなりすぎている状態の総称です。 甲状腺中毒症は、原因によって大きく以下の2つに分けられます。

  • 甲状腺機能亢進症(代表例:バセドウ病) 甲状腺が働きすぎて、過剰にホルモンをつくり続けてしまう状態です。その代表的な原因がバセドウ病です。自己免疫の異常により、甲状腺を刺激し続ける抗体(TRAbなど)が体内にできてしまうことで発症します。20〜30代の若い女性に多いイメージがありますが、男性や中高年の方にも発症します。

  • 甲状腺の破壊によるもの(無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎など) 甲状腺がホルモンを過剰につくっているわけではなく、甲状腺に自己免疫の異常やウイルスなどで炎症が起き、もともと蓄えられていたホルモンが血液中に漏れ出してしまうことで一時的に中毒症になるタイプです。バセドウ病とは治療方針が全く異なるため、正確な診断が必要です。

② 甲状腺機能低下症(代表例:橋本病/慢性甲状腺炎)

「甲状腺機能低下症」は、血液中の甲状腺ホルモンが不足している状態です。 原因として最も代表的なのが慢性甲状腺炎(橋本病)です。これもバセドウ病と同じく自己免疫の異常が関わり、甲状腺に慢性的な炎症が起きる病気です。 ※「橋本病=機能低下症」と誤解されがちですが、橋本病であっても甲状腺の機能が正常に保たれている方も多くいらっしゃいます。その場合はすぐに治療の必要はなく、定期的な採血などによる経過観察となります。

③ 甲状腺腫瘤(しこり)

甲状腺にできる「しこり(結節)」のことです。甲状腺のしこりは、その多くが良性(濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫、のう胞など)です。しかし、一部に悪性のもの(甲状腺がん)が隠れていることがあるため、超音波検査などで形や大きさ、内部の性状を詳しく評価する必要があります。

7. 治療法と日常生活・当院の方針

甲状腺疾患の治療は、病気の原因や状態によって全く異なります。「数値が基準から少し外れている=すぐ治療」というわけではなく、個別の状況に応じたオーダーメイドの判断が必要です。

一般的な治療法

  • 甲状腺中毒症・甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) バセドウ病の場合、甲状腺ホルモンの合成を抑える「抗甲状腺薬」の内服治療が基本となります。焦らず年単位でじっくりと薬を調整し、ホルモン値を正常に保ちます。薬でコントロールが難しい場合や副作用が出た場合は、放射性ヨウ素内用療法や手術といった別の選択肢を検討します。一方、炎症による一時的な中毒症(無痛性甲状腺炎など)の場合は、経過観察や症状を和らげる治療が中心になることがあります。

  • 甲状腺機能低下症(橋本病など) 不足している甲状腺ホルモンを、薬でホルモンを補う治療(飲み薬:チラーヂン)により外から補います。ご自身の体内で作られるホルモンと同じ成分ですので、適切な量を服用している限り、副作用の心配はほとんどありません。

  • 甲状腺腫瘤 良性で小さく、悪性を疑う所見がなければ、半年から1年ごとの超音波検査による経過観察となります。

治療中の注意点と副作用

抗甲状腺薬(バセドウ病の薬)は、かゆみ、発疹、肝機能障害、白血球減少(無顆粒球症:急な高熱や強いのどの痛みが出ます)、血管炎などの副作用が起きることがあります。そのため、治療開始初期は特に頻繁に採血を行い、副作用がないか安全を確認しながら治療を進めます。

8. よくあるご質問(Q&A)

 

Q.  どのような症状があれば受診したほうがよいですか?

A. 首の前が腫れている気がする、しこりに触れる、原因不明の動悸が続く、しっかり食べているのに体重が減る、逆に急に体重が増えた、異常なだるさやむくみがある、といった場合は受診をご検討ください。 また、健康診断の血液検査や触診で異常を指摘された場合も、放置せずに一度専門的な評価を受けることが大切です。

Q. 健康診断でTSH異常を指摘されたら受診したほうがよいですか?

A. はい、早めの受診をお勧めします。 TSH(甲状腺刺激ホルモン)は甲状腺の働きを調整するホルモンで、この数値に異常がある場合は、甲状腺機能低下症や亢進症が隠れている可能性があります。自覚症状がなくても、詳しい血液検査やエコー検査で状態を確認しておくことが大切です

Q. 健康診断でTSH異常を指摘されたら受診したほうがよいですか?

A. はい、早めの受診をお勧めします。 TSH(甲状腺刺激ホルモン)は甲状腺の働きを調整するホルモンで、この数値に異常がある場合は、甲状腺機能低下症や亢進症が隠れている可能性があります。自覚症状がなくても、詳しい血液検査やエコー検査で状態を確認しておくことが大切です

Q. 甲状腺エコーだけでも相談できますか?

A. はい、可能です。 首のしこりや腫れ、のどの違和感などが気になる場合、まずはエコー検査で甲状腺の状態を確認することができます。当院では院内でエコー検査に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。必要に応じて血液検査などを追加することも可能です。

Q. 他院で橋本病と言われましたが再相談できますか?

A. はい、ご相談いただけます。 過去に橋本病と診断され、現在は治療をしていない方でも、定期的な機能評価は大切です。また、現在の治療方針に関するご相談や、引っ越しなどで通院先をお探しの方も、これまでの検査結果やお薬手帳をお持ちになり、お気軽にご来院ください。

Q. 他の病気(高血圧や糖尿病)の治療中ですが、一緒に診てもらえますか? 

A. はい、ご相談いただけます。 当院は糖尿病や内科全般も診療しております。高血圧症、糖尿病、脂質異常症などで通院中の方でも、全身の状態や服用中のお薬との飲み合わせ(相互作用)を総合的に判断しながら、甲状腺の診療を並行して行うことが可能です。

Q. 妊娠希望中ですが甲状腺の相談はできますか?

 A. もちろん可能です。 甲状腺ホルモンの異常は不妊や流産のリスクに関わるため、妊娠前から甲状腺機能を適切にコントロールする「プレコンセプションケア」が非常に重要です。甲状腺機能低下症(橋本病など)を指摘されている方は特に、妊娠に向けての目標値などが変わってきますので、お早めにご相談ください。

Q. 甲状腺のしこりが見つかったら、すべて手術が必要になるのでしょうか?

 A. いいえ、すべて手術が必要というわけではありません。 甲状腺のしこりの多くは良性です。大きさや超音波検査の所見を詳しく確認し、多くの場合は定期的な経過観察となります。悪性が疑われる場合や、良性でも大きすぎて生活に支障が出る場合に、総合病院と連携して手術等の判断を行います。

Q. 薬を飲み始めたら、一生飲み続けなければなりませんか?

A. 病気の種類によります。 バセドウ病の場合、数年の内服で薬を中止できる(寛解する)方もいらっしゃいます。橋本病による機能低下症の場合は、長期にわたってホルモンを補う薬の服用が必要になることが多いですが、1日1回の内服で健康な方と変わらない生活を送ることができます

9. 最後に

甲状腺の病気は、症状だけで判断することが難しく、採血や超音波検査を行ってはじめて原因や方向性が見えてくることも少なくありません。実際に、長く続いていた不調の理由が分かり、安心される方もいらっしゃいます。

糖尿病・甲状腺・内科 幸田中央クリニックでは、内分泌専門医として正確な診断と適切な治療に努めるとともに、患者さんそれぞれの生活背景、お仕事、家事や育児の状況、通院のしやすさ、お薬に対する不安などにも配慮しながら診療を行っています。続けやすく、納得して取り組める治療方針を、相談しながら一緒に考えていくことを大切にしています。

当院には幸田町を中心に、岡崎市、西尾市、蒲郡市などからもご相談いただいています。首の腫れやしこり、動悸、体重変化、だるさ、健康診断での異常などが気になる場合は、どうぞご相談ください。必要に応じて総合病院とも連携しながら、適切な診療につなげてまいります。

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